真実存主義【第1章】

ガブリエルの主張

  • 「心」とは心的語彙の集合
    • 包括的用語
      これが1個の現象や実在として現れることはない
    • 心的語彙は明確な輪郭や対象領域を持たない
      「意味の場」に現れることはない = 心的語彙ひとつひとつは存在しない
    • 意味の場の系列(=存在スペクトル)全体にまたがって存在している
      • 科学の対象領域である「宇宙」にも全ての意味の場の意味の場と仮置きした「世界」にも属さない
      • しかし「精神」1の一部は「宇宙」にも属している
  • 自然主義

    • 形而上学的や認識論的な問題を避け、様々な哲学的立場を織り交ぜた立場
    • 虚構非実在
      • 存在論的身分は心依存度に反比例する
        フィクションなどの存在論的身分は極めて低い
      • 心は脳(=物理的存在)なので実在する
  • 実存主義

    • 包括的用語が1つの現象や実在としては存在せず、集合として複数の意味の場に跨がり存在(?)している
    • 「心」を意味の場に出現させることは形而上学多元論をとるのに等しく、回避の戦略という点で自然科学と変わらない
      包括的用語の存在する意味の場を定義することを避ける

用語

  • 形而上学的二元論
    • 存在は心的な存在と物質的な存在に分かれる
      デカルトの唱えた説だが、本人が問題視している。ガブリエルも疑問を呈している→故に拡張的な考えである多元論を採用しない

疑問点

  • 「精神」と「心」は結局何が違うのか
    意味の場の系列に存在しているのはどっちなのか

  1. (常に変化している)心的語彙の背景にある不変なものを説明する概念

  2. 形而上学的一元論における極北の1つで、物理的対象に特権的な存在を認める論。⇔観念論。心や神に特権的な存在を認める。